2026-01-21
【インタビュー】仲 万美・太田夢莉「女郎蜘蛛」|日本犯罪史・文学史に名を残す、女性の重犯罪者“毒婦” たちをテーマにするという衝撃のコンセプトと現代の「女性社会」へのメッセージ
日本犯罪史・文学史に名を残す、妖しい魅力を持つ「女性の重犯罪者」をテーマにするという衝撃的なコンセプトで話題の完全新作オリジナル舞台「女郎蜘蛛」。今回は、プロデューサー・主演を務める仲 万美さんと、出演者の太田夢莉さんによる対談をお届けします!
一見クールなお二人ですが、インタビューでは作品への熱い想いや、お互いの考えへの深い共感を語ってくださいました。
プロデューサーとしての仲さんの覚悟や、太田さんが想う「演じる面白さ」、さらにはSNS社会への鋭い視点。そして観劇前に伝えておきたいこと。ここでしか聞けないエピソードが満載です。

「死刑囚を持ってくるんだ!?」衝撃のコンセプト
――「女性の重犯罪者“毒婦” 8人の物語を現代に甦らせる」という衝撃的なコンセプトですが、最初に脚本や構想に触れた時の、率直な第一印象を教えてください。
仲 万美(以下、仲): 私は今回、プロデューサーとしても作品に関わっていて、企画の立ち上げ当初、どういうコンセプトでやりたいかと聞かれたとき、私は具体的な物語よりも核となるイメージだけをお伝えしました。それは「女性の強い部分」と「ボロボロな女性」を表現したい、物理的にも精神的にもボロボロな状態をやりたい、と。
そしたら、脚本・演出の中屋敷法仁さんが提案してくださったのが「毒婦」というテーマでした。「明治時代にこういう女死刑囚がいたんですけど……」と。「本当に強くてボロボロじゃないですか!」って(笑)。まさかそんな斜め上の角度から来るとは思っていなかったので、最初は本当に笑っちゃいました。
このコンセプトが来た時、中屋敷さんの頭の中もすごいなと思ってしまって。もっとキャッチーなものを想像しそうじゃないですか。「強い女性で勇者になるぞ!」とかじゃなくて、「死刑囚を持ってくるんだ!?」って。すごく(想像力を)掻き立てられるなという印象でした。自分のイメージがこんなにも料理されてしまうんだと驚きましたし、その一発目でもう中屋敷さんにお任せすれば全てOKだと思いましたね。

太田夢莉(以下、太田): 私も最初にタイトルの文字を見た時は、今まで見たことのない言葉に驚き、意味を調べました。「毒婦」って女性だからこそ、その妖艶な魅力で人を惑わせ、歴史に残っているものだと思うんです。「女性しかできないもの」そして「女性しかできない題材」を「女性しかいないキャスト」でやるっていうのが、なんていい組み合わせなんだろうと思いました。
女性が自分の色気で人を惑わせて殺害に至るという事件は、エンターテインメントやドラマの題材として好まれる傾向がありますよね。人間はどこかでドロドロしたものを求めていますし、他人の不幸話に惹きつけられる側面があります。「知りたくないけど見たい」みたいな。人って人の不幸好きじゃないですか(笑)。先ほども別で話していて万美さんが言ってくれた時にスッキリしたんですが、SNSでも幸せアピールしちゃいけないような雰囲気がある。
仲:前のプロデュース舞台の時も頑張っていますっていうより、踊ってアクションして痣だらけの足を載せた方が、みんなが盛り上がるんですよ。こんなところに痣ができた、みたいな。結構黒に近い紫の痣を載せるとみんなテンション上がっちゃうんですよ。なんか好きなんですよ、みんな痛みっていうものが。刺激が欲しいんですよね。
太田:そういった意味で、エンタメとしてすごく良い題材だなと私も思いました。

「本気で突き詰めたい」プロデューサー仲 万美が求める表現の真髄
――仲さんは今回、主演だけでなくプロデュースも担当されています。歌あり踊りありの作品になると伺っていますが、現段階で構想されていることはありますか?
仲:楽曲に関しては半分ほど出来上がっていて、現在はチェック段階にあります。振付に関しては、私が10年ほど前から親交があり、心から尊敬しているダンサーの大先輩お二人にお願いしました。今回は、いわゆる「舞台のダンス」という枠に収めたくないという強い想いがあります。私はプロのダンサーとして活動し、海外の現場も見てきた人間として、舞台作品でもっと突き詰めたダンスができるのではないかと思っていました。もちろん、役者さんが踊ることの難しさは理解していますが、今回はそこを妥協せず、本気で突き詰めたいと考えています。
先日、みんなにもダンスに慣れてほしいので、振付師さんを呼んで事前稽古をやったんです。こんな感じなんだっていう雰囲気をつかんでほしくて、かなり本格的なダンスレッスンを行いました。皆にはダンスを舐めないでほしいという思いと共に、汗も血も流して、痣だらけになるくらいの覚悟で挑んでほしいと伝えています。
太田:そのワークショップではとんでもない筋肉痛になりました。「自分の体には、こんなに使っていない部位があったのか」と痛感するほどでした。でも、仲さんがおっしゃるように、高いレベルに挑戦する方が間違いなく良い作品になると感じています。
仲: 振付師のお二人にも「役者のレベルに合わせなくていいです。プロとしてのお二人が思う最高のものを作ってください」とお願いしました。攻められるところは攻めていきたい。舞台の振付は、役者さんのレベルに合わせることもあると思うんです。でも、今回はみんなでダンスにも真剣に向き合っているので、楽しみにしててください。

――仲さんが演じる高橋お伝は、どのようなキャラクターですか?
仲:高橋お伝は有名な「毒婦」として知られていますが、実際には盗みを働き、捕まり、処刑された一人の女性で、毒婦らしさはないんですよね。死んだ後に伝説になった女性です。彼女の特異な点は、日本で最後に斬首刑に処された女性ということです。
彼女は処刑される際、大暴れをして抵抗したので、刀が首ではなく頭蓋骨に当たってしまったという逸話があります。その頭蓋骨には刀傷が残り、死後も見世物小屋で展示されるなどして、「毒婦」として有名になった女性です。
実際に彼女がどのような人物であったのか、その真実は誰にもわかりません。ただ、死の間際まで生きようと足掻いたその生命力や、処刑の時に「南無阿弥陀仏」って言いながら切られたという話も「かっこいい」と思いました。法律は守らなきゃいけないし、ルールも守らなきゃいけない。自分の信念というものがある、そんな高橋お伝は、かっこいい女だなと思います。
――仲さんのかっこよさと通ずるところがあるんじゃないかと勝手に思っていました。
仲:いえいえ(笑)。でも高橋お伝を汚さないように頑張ります。
太田:いや、もしかしたら前世かもしれないです(笑)。
仲:そりゃ困ったぞ(笑)。
――太田さんが演じる花井お梅は、どのようなキャラクターですか?
太田: 私が演じる花井お梅は、男勝りな性格で周囲から人気があった一方で、ヒステリックな一面や酒癖の悪さも持ち合わせていたと言われています。私そういう、「人を引き付ける方」っていいなって思っちゃって。悪いところがあったとしても、何かが優れていると人って惹かれてしまうし、魅力の方が勝ってしまうっていうのがすごいなと思って。
彼女は殺人を犯した後も、自分の体験を、懺悔芝居をするという非常に肝が据わった行動をとっています。罪人でありながら、自分の物語をエンターテインメントにしてしまう強さ。殺害の動機についても本当のところはわかりませんが、女性として面白い方だなって思いました。
――まだどんなキャラクターが出てくるのか分からないですけど、どのキャラクターもみんな「女性として強そうな方」ばかりだと思っています。
太田:そうですね。現代のもっと女性社会にしていきたいっていう世の中にすごく合っている舞台ですよね。

――太田さんは多くの2.5次元舞台で活躍されています。「原作キャラクターの再現」が求められる2.5次元作品と、今回のように「実在した罪人」を演じることの違いや、逆にこれまでの経験が生きる部分はありますか?
太田:今まで演じてきた役は、少し変わった癖のあるキャラクターが多かったのですが、今回の花井お梅もまた一癖ある人物です。自分とはかけ離れていると思うんですが、何故か演じにくくはなくて。自分の中にそういった部分が多分あるということだと思うんです。それを活かせるというのは役として面白さも感じますね。
2.5次元作品には原作という「正解」がありますが、もし1年中2.5次元作品をやると、たぶん自分が分からなくなっちゃうと思うんですよ(笑)。(2.5次元は)キャラクターに自分を寄せていき、個性を消す作業が必要になることもあるので、。このバランスが難しいです。ただキャラクターから学べることがたくさんあります。
今回は実在した人物とはいえ、その内面や真実は誰にもわかりません。お手本がない分、自分で想像して作り上げていかなければならない難しさがありますが、自分の中にある要素や今までのキャラクターからの学びを引き出しつつ、表現できればいいなと思っています。
仲:私は、2.5次元作品の舞台に出演したことがないので勉強になります。
太田:そうなんですか?みんな万美さんの個性に憧れるんですよ、立っているだけで仲 万美としての商品、個性がある。みんなそれを探しながら生きているので。
「SNSの情報は全部が正解ではない」現代社会へ、“毒婦”たちが突きつける問い

――この作品は現代のSNS社会にも通じるテーマだと感じますが、彼女たちの生き様を通して、観客に何を感じ取ってほしいですか?
仲:彼女たちが実在したのは事実ですが、どのように生きたかという真実は分かりません。舞台上の脚本も一つの解釈であり、それが全て真実とは限りません。「全部信じるな」と伝えたいです。これは現代のSNS社会にも通じることですが、ネット上で見えているキラキラした部分や、逆に炎上している部分も、その人のほんの一面に過ぎません。嘘か本当かわからない情報に振り回されるのではなく、見えているものだけを信じる危うさや、逆に見えない部分にこそ美しさがあるということを感じてほしいです。
「なんでだろう、どうしてだろう、どうしてこの人たちはこんな生き様をしたんだろう」と想像するこの力がすごく自分は美しいなと思うんです。
例えば、見えそうで見えないギリギリのラインに美しさや想像力を掻き立てられるように、すべてをさらけ出すのではなく、見えない部分に想いを馳せることの大切さを伝えたいですね。お客様にも「想像」をすごく大事にしてほしくて。自分の感性で自分の想像でいいんですよ。ネットにあるものだけを信じるのではなく、「自分はこう思うんだけどな」でいいじゃないですか。感じ取ってほしいなとは思います。
太田: SNS見ていても、誰が悪いという批判とか、私かわいそうが多すぎちゃって。
私も今まで生きてて辛いことを人のせいにしたことってあったんですけど、歳を重ねていくと「そうじゃないな」って。結局その道を選んだ自分が悪かったって思うようになってから、すごく視野が広がったなって思っていて。その考え方になってから人生が楽しくなったので。みんなもっと自分のことにスポットライトを当てて、自分のことを考えて生きたほうが楽しくなりますよって、この「毒婦」たちから感じ取ってもらえたらいいなと思います。
「コンチクショー精神」女性だけの座組だからこそ生まれる絆

――今回はキャスト全員が女性ですが「女性のみの座組」だからこそ生まれる絆や、現場特有の熱量はありますか?
太田:ありますよ!この前のダンス稽古でお会いした時も、「女性同士でしか感じ取れない熱」みたいなものがあって。
舞台作品によっては男性の方が登場人物が多いことがあるんで、女性は少ない枠のオーディションを受けて、上手くいかないっていう思いをしてきた方が多いと思うんです。だからこそ、この一回のチャンスに全力で賭けるっていう思いや熱量を感じられるなって思っています。あと、よく言われるのは「女性同士ってやっぱ空気悪そう」って言われるんですけど……言われません?
仲:言われるね。でも全くそんなことないね。それこそグループの時とか言われなかった?
太田: 言われますめっちゃ。「仲悪いんでしょ?」とか。全然そんなことないのに、そう思われてしまうのがすごく悔しくて。結構言いたいこと言い合うから、意外とギスギスってしないんですよね。今回も事前稽古でお会いした時にすごい熱量を感じました。
仲: そうですね。今回集まってくれたメンバーは、ある意味で「コンチクショー精神」を持った人たちばかりです。私を含めてたくさん悔しい経験をしてきたりして、心に一物抱えているような(笑)。でも、だからこそ「やってやろうぜ」という熱量がすごく高いんです。綺麗なことばかりではない、泥臭い思いを共有しているからこそ生まれる結束力があると思います。多分呼んじゃうのかな、僕が(笑)
太田:そういう人たちを(笑)。引き寄せられているような気がします。
令和の「女性社会」に問う美しき毒婦たちのメッセージ

――最後に「毒婦」たちを目撃しに来るお客様へ、一言メッセージをお願いします。
仲:一言、絶対に後悔はさせません。目に焼き付けていただきたいです!そして、「女性を舐めるなよ」ということを伝えたい。今回の舞台は、歌やダンスで活動している女性が舞台に立ってくれます。みんな汗水を流して努力しています。好きなことを続けるというのは簡単なことではありません。それをやり続けている彼女たちの姿にぜひ感化されてほしいと思います。
太田: 万美さんがおっしゃったように、私たちキャストもスタッフも、この作品に全力で挑んでいます。実は事前稽古の時に万美さんが、私たちキャストにすごく熱い気持ちを伝えてくださったんです。プロデューサー自ら作品への想いと、キャストへ「力を貸してほしい」と気持ちを伝えられたことってないですし。
仲:そうなの?
太田:え、あるのかな?あったらすいません(笑)。でもそのぐらい印象的で。万美さんは出る側でもあるじゃないですか。その発言をしたことによって、自分だったら「これを言ったことによってどう思われるだろう?」とか考えちゃうんですけど、そんなことよりも「伝えたい」っていう万美さんの真っすぐな気持ちがすごく響いて。万美さんは人に正直に向き合ってる方だなって思って。私はまだその覚悟がないんだってその時思ったんですよ。自分の伝えたいことの本心を伝える覚悟が自分にないって思って。万美さんの姿を見て、私は感動して。そのくらい熱い気持ちを伝えてくださったのが嬉しかったし、熱量が集まっている作品だと思うので劇場に見に来ていただけると嬉しいです。
最後まで、お互いへのリスペクトが溢れていた今回のインタビュー。特に終盤、太田さんが語った仲さんへの真っすぐな言葉には、こちらまで胸が熱くなり感動しました。
「本気でやるから、絶対に後悔はさせない」
そんな清々しいまでの自信とエネルギーが、この作品には詰まっています。仲さんがプロデューサーとしてこだわり抜いた圧倒的なダンス、そして太田さんをはじめとするキャストの皆さんが心から表現する“毒婦”たちの生き様。
劇場でしか味わえない、最高にカッコよくて泥臭い彼女たちの姿を、ぜひその目で確かめてみてください。きっと観終わった後、思考する余韻を持ち帰れる作品になっているはずです。





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公演概要
【公演名】女郎蜘蛛
【公演日程・劇場】2026年2月19日(木)~2月23日(月・祝) 品川プリンスホテル クラブeX
【プロデュース】仲 万美
【脚本・演出】中屋敷法仁
【出演】
仲 万美 蘭舞ゆう 太⽥夢莉 安川摩吏紗
⻄葉瑞希 なかねかな 岩佐美咲 永⽥紗茅
⼀篠思瑠 平井沙弥
【チケット料金】
全席指定:8,500円(税込)
※未就学児入場不可
【チケット】
https://l-tike.com/jyorougumo/ Lコード:33437
【公演・チケットに関するお問い合わせ】Mitt:03-6265-3201(平日12:00~17:00)
【Official Web Site】https://s-size.co.jp/stage-info/stage/jyorougumo/
【Official X】@jyorougumo2026(https://x.com/jyorougumo2026) #舞台女郎蜘蛛
【主催】「女郎蜘蛛」製作委員会
©「女郎蜘蛛」製作委員会

