2025-08-07
舞台「死神遣いの事件帖 終(ファイナル)」上演前囲み取材&公開ゲネプロオフィシャルレポート到着
舞台「死神遣いの事件帖 終(ファイナル)」が開幕した。本作は、映画と演劇の連動企画「東映ムビ×ステ」プロジェクト初のシリーズ作品であり、2020年より3本の映画作品と2本の舞台作品が発表されてきた。タイトルにある通り、本作をもってシリーズは完結。愛すべき死神遣い・久坂幻士郎と相棒の死神・十蘭の物語についにピリオドが打たれる。
上演前囲み取材
初日に先駆けて行われた囲み会見には、久坂幻士郎役の鈴木拡樹、十蘭役の安井謙太郎、最恐の死神・無限狼役の梅津瑞樹、幻士郎の幼なじみで同じ死神遣いである鉄斎役の鈴木裕樹に加え、脚本・演出の毛利亘宏が登壇。
殺陣ありダンスあり、とエンタメ性の高い本作に対し、鈴木拡樹は「全キャラクター、汗をかいていない状態を見られるのは、最初の登場シーンだけ。それ以降はずっと汗をかいていますので、そんな汗の飛び散るところを見て臨場感を楽しんでもらえたら」とアピール。また、シリーズ最終作にして、舞台では初めて鈴木拡樹と安井の二人が揃うことに対し、毛利は「うれしくてしょうがありません」と笑顔。5年という歳月の中で、二人ともに成長を感じたと言い、「それぞれの場で自分を鍛えて成長した役者さんたちが、またここで再会して、一緒に作品をつくる。そんな意気込みに溢れた稽古ができた」と振り返った。
本作の上演時間は約2時間と、観客にとっても観やすいボリュームになっている。「ストーリーが面白くて、展開も早い」と太鼓判を押す安井は、ショート動画全盛の時代になぞらえ、「2時間というショートの中で、殺陣にダンスとこんなにも密度高く内容がつまっている作品は他にないんじゃないかと思う」と自信を覗かせた。また、ラスボスとして立ちはだかる梅津は「いい意味でいろんな方を裏切れれば」とニヤリ。前回の映画から意外な形で復活を遂げる自身の役について「早くみんなに見ていただきたいです」と期待を煽った。
そして、本作より「しにつか」初参戦となる鈴木裕樹は、同じ「すずき・ひろき」の名を持つ鈴木拡樹との共演に大喜び。
「できるなら鈴木拡樹さんとたくさん絡める役にしてくださいとお伝えしたところ、幼なじみという役をいただきまして、本当にうれしく思っております」と声を弾ませた。
足かけ5年にわたって演じ続けた作品との別れに、鈴木拡樹は「たくさんの方に愛していただきまして、このファイナルまで辿り着くことができました」と感無量。これまで応援してくれたファンはもちろん、「今回初めて観てくださった方が過去作を振り返ってみたいと思えるような作品に仕上げたいと思います」と意気込み、「これからも末永く『死神遣いの事件帖』シリーズを愛してもらえるように締めくくりたい」と深い作品愛をにじませた。










公開ゲネプロオフィシャルレポート
観客の期待が高まる中、いよいよ開演。物語は、冥界の王となった十蘭が、人間と死神が共生できる世界をつくるために奮闘する姿から幕を開ける。十蘭の近習・弾正(森崎大祐)や乳母の鵺灯(ザンヨウコ)は十蘭を応援するが、そのやり方を快く思わない死神もいるようで、冥界に不穏な気配が漂いはじめる。
一方、幻士郎のもとにも新たな事件の予感が。博打三昧の毎日を送る幻士郎の前に時雨(宮原華音)という美女が現れる。時雨は、幻士郎の幼なじみ・鉄斎の妹であり、兄が一人前の死神遣いになれるよう力を貸してほしいと幻士郎に頼み込む。
人間界と冥界。それぞれの世界を邪悪な意志が飲み込まんとするとき、一度は別れた幻士郎と十蘭の運命が、今ふたたび交差する。
本作の魅力は、痛快かつ華やかな“お祭り感”だ。ダンスや殺陣といった視覚的に楽しめる要素がふんだんに盛り込まれているだけでなく、クスッと笑えるギャグも満載で、肩肘張らずに楽しめる。特に序盤に展開される「飛脚レース」は、演劇らしいワクワク感たっぷり。神輿行列を眺めるような感覚で目を輝かせていたら、気づけば「しにつか」ワールドに引き込まれている。
もう一つの魅力が、完璧な人間(死神)は一人もいないというところだ。今回から初登場の鉄斎は口では大きなことを言うが能力は人並み以下のヘタレキャラ。口癖は「明日から本気出す」。ある意味、幻士郎が十蘭に出会わなければ、こうなっていたかもしれないというifのキャラクターだ。そんな鉄斎が、なりたい自分になろうと奮い立つ姿に胸が熱くなる。
鉄斎だけではない。弾正はもちろん、呪樹(田淵累生)や慧蘭(田口涼)にも欠けたところがあって、誰かを羨んだり、必要以上に自分を大きく見せようとして姑息に立ち回ったり、死神のくせに人間以上に人間らしい。その最たる存在が、十蘭だろう。なんでも一人で抱え込んで、意地を張ってばかり。すれ違ったり、空回ったりしながら、でもなりたい自分をあきらめない彼らの姿に観客は共感を覚え、愛着を抱く。多彩な登場人物を通じて描かれる人間臭さこそが、「しにつか」が愛され続けた理由の一つだ。
そして、そんな登場人物たちの中心に立つ久坂幻士郎のカラッとした明るさが、「しにつか」のカラーを決定づけている。
今回も、歌舞伎風に見得を切ったり、遊び心いっぱいに舞台上を躍動。幻士郎がいるだけで、元気になれる。幻士郎を見ていると、優しい気持ちになれる。幻士郎のおバカだけど情に厚いところに惹かれて、十蘭も、観客もここまで来たのだという感慨が胸に広がる。
そんな幻士郎と十蘭の最後の晴れ舞台。最恐の敵・無限狼に二人が立ち向かう姿が、本作最大の見どころだ。3作目にして舞台では初共演となる鈴木拡樹と安井謙太郎の、舞台ならではの共闘シーンに、きっと多くのファンが「これが見たかった!」と喝采をあげるはず。
強大な力を誇る無限狼に追いつめられる幻士郎と十蘭。勝算は薄いかもしれない。でも、勝ち目のない大勝負に挑んでこそ、博打好きの幻士郎。日の本の安寧を賭けた大博打の行方をぜひ劇場で見届けてほしい。










舞台「死神遣いの事件帖 終(ファイナル)」は、東京公演が8月17日(日)までサンシャイン劇場にて上演。その後、8月21日(木)に福岡公演、8月30日(土)・31日(日)に大阪公演、9月5日(金)・6日(土)に石川公演と各地を巡演し、9月13日(土)~15日(月・祝)の京都公演をもって堂々のフィナーレを迎える。
あらすじ
江戸の片隅で探偵業を続ける久坂幻士郎は、相棒だった死神・十蘭が冥界へ帰って半年、どこか虚しさを抱えながら日々を過ごしていた。
そんな中、現れた美女・時雨に「兄を助けてほしい」と依頼され、幻士郎は幼馴染で死神遣いの鉄斎に会いにいく。するとその傍らには、幻士郎が封印したはずの最恐の死神・無限狼の姿があった! だが、無限狼に見えたその死神は穏やかで礼儀正しい別の死神で――
拍子抜けしながら、「彼と一緒に死神遣いとして名を上げる」と息巻く鉄斎に仕事を斡旋するため、幻士郎は幕府の要人・保科正之の元を訪れる。そこで、自身も思いがけず依頼を受ける羽目になるのだが、この依頼がのちに幕府を揺るがす重大な事件へと発展していく。
一方、冥界では十蘭が、家臣の謀叛により、乳母・鵺灯とともに投獄されてしまう危機に合う。間一髪、難を逃れた近習・弾正が、十蘭を助けてくれるよう、現世の幻士郎に頼みに向かった。
だが、それぞれの想いを胸にした盟友・幻士郎と十蘭は、再び相まみえることを拒絶する!
信じる力が、世界を救うのか――
死神遣いの事件帖、いま堂々の完結へ!
舞台スケジュール
2025年
8月7日(木)~17日(日) 東京:サンシャイン劇場
8月21日(木) 福岡:福岡サンパレス
8月30日(土)・31日(日) 大阪:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
9月5日(金)・6日(土)石川:石川県小松市 團十郎芸術劇場うらら 大ホール
9月13日(土)~15日(月・祝) 京都:京都劇場
2025年8月・9月 全国5都市(東京・福岡・大阪・石川・京都)にて上演
一部の公演でアフタートークイベントの開催も決定! チケット好評発売中
詳細は公式サイト( https://shinitsuka.com/stage/ )まで
東映ムビ×ステ 「死神遣いの事件帖 終(ファイナル) 」
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◆映画配給: 東映ビデオ
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