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女優・平松可奈子さんロングインタビュー!
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2024-09-03

女優・平松可奈子さんロングインタビュー!

舞台「MIANEYO」Blu-ray発売記念イベントにて、女優・平松可奈子さんへの独占インタビューを行いました。2.5DGEEKでは初めての女優さんインタビューです。

ーー「MIANEYO」Blu-ray発売記念イベントでしたが、平松さんにとって「MIANEYO」はどんな作品でしたか?

平松さん「終わってからもう半年ぐらい経ったんですが、今でもお会いする方々に「MIANEYO」すごかったねって関係者さんや共演者さんから言ってただけて。反響がすごくありましたし、改めて素晴らしい作品に出会えたことが嬉しかったです。
自分的には韓国語と、韓国人が話す日本語、関西よりの日本語という言語の挑戦をさせていただきました。また生歌の披露があったり、今までの役者人生の中でご褒美をもらったような役でした。見せどころもたくさんありましたし、後半は「ユリ無双」と名付けられた感情のお芝居もありましたし、女優さんだったら誰もがやりたいであろう役を、任せてもらえたっていうのがすごく嬉しかったです。

あと俳優座に立つことが一つの目標だったんですが、主演でその夢が叶いました。裏話なんですけど、最初は違う女優さんが主演で話が進んでいたそうです。ですが脚本家の伊藤さんが、プロデューサーの熊谷さんに、『俳優座はあるひさんにとっても挑戦の劇場だから、一緒に心中してもいいと思える人とやった方がいいよ。もしコケても、この人とやってよかったと思える人とやった方がいい。』とアドバイスをしたみたいです。

それで熊谷さんが『平松可奈子ちゃんとやりたいです。』と言ってくださったっていうエピソードを聞いた時に、責任感を持ってこの役を全うしようっていう気持ちで作品に入ったので、自分もすごく思い入れのある作品でしたね。結果、連日満員の劇場にスタンディングオベーションを頂けて大成功の中、舞台「MIANEYO」が完走出来たのでとても良かったです。」

ーーキム・ユリは終盤に向かって熱量があがっていく役でしたね。イベントでも本番中はご飯やお菓子をたくさん食べていたと話されていましたが。

平松さん「そうですね。短い間で感情を爆発させなきゃいけなかったり、ユリが背負ってる境遇がすごく重いものだったので、それが表現できないんだったら作品自体軽くなってしまう。私がどこまで感情を乗せられるかで、作品の命の重さみたいなのが変わってくるなんて感じていたので、本番前に誰よりも早く袖に行って、自分の気持ちを作って。憑依してるじゃないですけど、すごく身を削ってやってる感覚でした。

一緒に座長だった小澤さんがそれをすごく汲み取ってくださって、座組のみんなは俺が盛り上げるからっていうスタンスでいてくださったので、私は自分の気持ちにすごく集中してできたなって思います。バランスのいいW主演でやらせてもらえたなて思っています。
何か話したわけじゃないんですけど、お互いがそう思って行動してる感じで。それがいい作品に繋がったのかなって思いました。」

ーー役を演じるうえで、特に大切にしていることはありますか?

平松さん「自分がやるということに意味を感じてほしい。お客さんにも演出家さんにも、プロデューサーさんにも。私がやるからこういうキム・ユリになったよねっていうのを感じてほしくて。
台本も全て理解した上で、台詞を変えさせてもらったっていうのもその一つです。
最初『私が幸せにしてあげる』という台詞だったんですけど、どうしたら孤独でずっと生きてきたたっちゃん(小澤さん演じる新井竜也)がその言葉に救われるんだろうと考えた時に『私が家族になってあげる』の方が彼を救うんじゃないかなと思って。
そこで演出家さんに相談して、どうしてもこの台詞に変えたいと伝えて、作品がひとつ違う形になったり。

いつもの役作りは、自分がやる事に意味を感じてもらいたくて。どの役をやっても『平松可奈子』のままだねとは思ってほしくないし、私がやったからキム•ユリはこういう色になったねって思ってもらいたいから。役自体の魅力にプラスで自分の色をのせるイメージでアイデアを沢山もって稽古に挑んでいます。
あと「MIANEYO」は言語をめちゃめちゃ勉強しました。韓国ドラマとか映画とかを見て、韓国の方特有の反応の仕方や、K-POPが流行ってるっていうのがあって、宣伝で日本に来られた時に日本語で話されるので、その動画全部みたり。同じセリフをたまたま言ってる動画を探したりとかして、韓国人の方が日本語で喋ってたらこういう言い方になるんだっていうのを勉強しました。」

ーー今後挑戦してみたい役柄やジャンルはありますか?

平松さん「私は元々アイドルだったっていうのもありますし、ヒロインで何かを背負ってて、静かな役や儚い役がすごく多くて。
でももう32歳になったし、今後は悪役だったり、お母さんの役や殺人犯だったりとか?ヒロインというとこから外れて、キーパーソンだったりとか、反対側のメインの人になれるようにしていかないと成長していけないなって思っています。今が一番自分の難しい時期だなって思っていて。年齢的にはヒロインをやる歳ではないけど、ヒロインを受けることが多いので、そうじゃない自分も見せれたらいいなって思います。」

ーーそうじゃない自分というところでは、俳優・デザイナーそして先日人材会社を立ち上げられたり、すでに多面性をお持ちだなと感じるのですが、それぞれのお仕事に対する想いを聞かせてください。

平松さん「舞台以外のお仕事も多岐に渡ってさせていただいてますが、それをやってるから大好きな舞台に立ち続けられるっていうのがあって。だからいろんな仕事をやってるんですけど、やっぱり全然ジャンルが違う仕事をすると、試練とか悲しい出来事、悔しい出来事、挫折とか、ビジネスだと特にあって。そういう時に自分を支えてくれるのが舞台です。
それは悲しいことがあった時に、この感情が次の役で生きたら救われるなってすごい思うんですよね。だからこの感情を覚えておこう。この出来事があった時に、私はどういう呼吸になって、どういう思い、表情になったのか覚えておこうって。そしたら次の舞台で生かせて、それが評価されたら自分も救われるなと思うようになって。だから色んなビジネスとかデザイナーとしてやった経験が全部舞台にいかせられるって思っています。結構自分を救ってくれる一つのものではあるので、全部が繋がってます。自分の中では全て違うジャンルの仕事だけど、全てがいきる経験だと思っています。」

ーーたくさんの作品に出演されてきた平松さんですが、最近のエンターテインメントに変化を感じたりしますか?

平松さん「1度コロナ禍を経て、初めて作品自体ができなくなってしまうっていうのを経験して、長い間舞台に立てない期間がありました。そこから舞台が再開して少しずつ取り戻して舞台業界も賑やかになってきてるんですが、でもやっぱりコロナ前に来てくれたお客さんは、それがきっかけで離れたまま戻ってこなくなった方もたくさんいるなって自分は感じていて。舞台離れからまだ回復しきれてないけど、チケット代は上がり続けている。それが結構負の循環だなって思っていて。

チケット代が上がってしまうっていうのは、舞台に来る人が減ってプラスの数字を出せないから上がってきてると思うんですけど、そうなると、プラスを出すために集客のある人を使うとなり、キャスティングは今までの雰囲気とガラっと変わってきてるなと思ってます。それはいいところももちろんあって、普段舞台に精通してない方が観劇するきっかけにも繋がって、お客さまの数が増えることは良いことでもあります。けれど実力がある方で集客がそんなにない方が、舞台に出演する機会が減ってきてしまって、作品自体の質が落ちてるのに価格は上がってるというのが、今問題なんじゃないかなと思っています。

私たち一人一人が集客できるように頑張らなきゃいけないけど、作品自体もその金額に合ったものを見せなければいけないっていう思うので、今後はそういったところが役者の課題になってくるのかと思いますね。

2.5次元も今盛り上がりを見せていて、原作が好きな方が舞台を観に来てくれて、それを演じてた役者さん自体を好きになってくれて、役者さんが出てる舞台に観に来てくれたらすごく幸せなことだと思う。だから、ファンの皆さんにその時間とお金に見合うものを見せられるかっていうのは、今一度みんなが意識をもって、いい作品作りをしていく意識を持たないと、舞台自体が衰退していってしまうのかなと思っています。いい作品をもっとちゃんと作らなきゃって思うようになりました。」

ーーご覧いただいてる方へひとことお願いします!

平松さん「役者としてステージに立ち続けるってことはすごく大変なことだと思いますけど、皆さんが来てくださるから立ち続けられるっていうのがあって。私として一番嬉しいことは、私のファンじゃない方とかも観劇を続けてくだされば、私がまた芝居を続けてる中で違う作品で出会える時があるじゃないですか。それってすごく幸せなことだなと思って。また再会を続けるために、みなさんには観劇を続けてほしいし、私はステージに立ち続けられるように頑張りたい。それをお互い続けたものと頑張った成果が再会に繋がってると思っていて、何よりも役者は嬉しいことなんじゃないかなって。応援してる方だけじゃない、そうじゃない人たちともまた出会えるっていうのが続けてきた証じゃないですか。だからぜひ皆さんには観劇を続けてほしいなと思います。」

平松さん、素敵なお話をありがとうございました。
実は、2.5DGEEKの初の女性インタビューとして、ぜひ平松可奈子さんにお話を伺いたいという編集部の熱烈なオファーに応じていただきました。平松さんには、どの質問にも終始熱く真剣に答えていただき、感動しっぱなしでした。次回の作品も楽しみにしております。

平松可奈子さん今後のスケジュール

【運王〜最強の運は誰だ〜】
9月14日
恵比寿ガーデンプレイスタワー13階

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